僕は大の古畑任三郎フリークだ。
最近昼間に再放送しているので、録画してちょこちょこ見ている。
中でも大好きな回「再会」が放送していた。
この回は、誰も死なない珍しいエピソードだ。
ラストシーン。
古畑任三郎が自殺しようとする小学校時代の友人(津川雅彦)をとめる。
「たとえ明日死ぬとしても、
やり直したらいけないなんて誰が決めたんですか」
このセリフになぜか中島らものエッセーで書かれていた言葉を思い出した。
「何十年かに一回くらいしかないかもしれないが、生きていてよかったと思う夜がある。
一度でもそういうことがあれば、その思いだけがあれば、
あとはゴミクズみたいな日々であっても生きていける」
仕事で忙しく会えてなかった彼女と久しぶりに会った。
楽しみにしてたはずなのに、いざ会うといまいち気分が上がらない。
仕事の不安が頭から離れない。
なんでか上手く話せない。
そして何より最近ずっと眠い。
いつもより早めにそろそろ帰ろうかと言ってしまった。
帰り際、「なんか怒ってる?」と言われた。
少し気まずいまま彼女は淀屋橋で降りていった。
胸が締め付けられる後ろ姿。
あんな楽しみにしていたのになんでこんな日になってしまったんだろう。
こうなったら性格上彼女から連絡が来ることはない。
悪いことしたな。謝らないとな。
俺はどれだけしょうもない男なのか。
後悔の念とため息をつきながら
自業自得だけどうまくいかねえなあと帰りの電車で思ってた。
したら、彼女からメールがあった。
「んで次はいつ会う?」
女性はいつだって何枚も上手だ。
僕らは皆女性から生まれてきた。
かなわない。お見通しさ全部。